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大腸がんの末期症状

大腸がんの症状

大腸がんの症状は、どの部位に癌ができているかに影響を受けます。直腸がんや結腸がんが代表的ですが、盲腸の部分にできる場合もあります。症状としては、血便や便が細くなること、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなどが挙げられます。ただし、これらは大腸がんの症状に特有のものではなく、痔などの病気と勘違いしてしまうこともあります。そのために異変に気付くのが遅れたり、大したことはないと考えて病院で検査を受けるのが遅れたりすることもあります。これらの症状のほかに、貧血や嘔吐、あるいは別の臓器へ転移していることが見つかるケースもあります。

初期症状のうちに発見できれば、手術や内視鏡的治療によって外科療法を用いることで完治できる可能性が高まります。反対に、大腸がんが末期症状に近づくほど、生存率は下がり、完治が遠のきます。ステージ(病期)別に見ると、大腸がんが初期症状から末期症状に向けて進行するにつれ、5年生存率は下がっていくことが分かります。ここからも、末期になってから発見するよりも、初期の段階で見つけることがいかに重要であるかがわかるでしょう。もし異常を感じた時には、早めに検査を受けておくことが大切です。

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大腸がんの検査



大腸がんの検査によって、初期症状の段階で発見することができれば、完治できる可能性が高まります。一般的な大腸がん検診に使われるのは免疫学的潜血反応で、この方法でより詳しく検査する必要がある人を抽出します。この免疫学的潜血反応では、食事制限もないため、検診を受ける方の負担を少なくしたままで実施できるというメリットがありますので、まずは検診によって疑いがあるかどうかを定期的に確認するようにしましょう。治療の成果を高めるためにも、初期症状のうちに発見することは重要な条件となりますので、特に40歳以上となっている方については、年に1回は検診を受けるようにした方が良いでしょう。

より詳しく大腸がんの検査をする方法としては、注腸造影検査、腫瘍マーカー、大腸内視鏡検査、画像診断、組織生検などがあります。これらの示す方法を必要に応じて組み合わせ、症状の有無、大腸がんの進行の状態、癌のある位置や病巣の大きさ、転移の有無や箇所などを明らかにすることになります。詳しい内容を明確にすることによって、病期(ステージ)の判定や手術や内視鏡的治療ができるかどうか、それとも切除が難しいかなど、治療方針の決定に関わってきます。以下ではそれぞれの方法について解説します。

・注腸造影検査
肛門からバリウムと空気を注入してX線写真を撮影することにより、病巣の位置や大きさ、腸の狭さなどを調べることができます。事前に食事制限を伴います。

・腫瘍マーカー
腫瘍マーカーとは癌によって産出される特別な物質を調べるためのもので、大腸がんの腫瘍マーカーとしてはCEAとCA19-9が一般的に用いられています。腫瘍マーカーのみでは初期症状の段階で発見することは難しいものの、再発や転移を調べるために有効な指標となっています。腫瘍マーカーは癌がある場合でも必ず異常値を示すわけではなく、再発や転移がない場合でも異常値となることもあるため、腫瘍マーカーのみで確定診断を下すことはできません。

・大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡を入れることで、通常は痛みを伴うものではありません。この方法では、モニターによって直接腸内を観察することができるため、大腸がんの検査としては確定診断をするために大きな役割を果たします。また、内視鏡は治療にも使われ、内視鏡的に切除することができるものであれば、症状の発見にとどまらず、治療にも貢献します。

・画像診断
画像診断にはCTやMRI、超音波検査、PETなどがあります。大腸のみではなく、肝臓や肺などの臓器への転移の状態をつかむために有効な方法となっています。

・組織生検
ポリープ等の病変を採取し、顕微鏡を使って調べる方法です。


大腸がんの治療

大腸がんの治療は内視鏡的治療、手術、抗がん剤による化学療法、放射線治療に分けられます。その中でも内視鏡的治療と手術が、完治を目指す上で重要な役割を果たすことになります。また、それぞれの方法を単独で用いるだけではなく、組み合わせて用いることによって高い効果を期待することもできます。大腸がんの治療に当たっては、信頼できる名医と共に十分に方針を検討し、症状の進行の程度や転移の状態、全身状態などを考慮しながら決めましょう。治療にあたっては、簡単に同意するのではなく、納得してから同意するようにして下さい。命に関わる問題ですので、安易な妥協は禁物です。

大腸がんの内視鏡的治療

大腸がんの内視鏡的治療としては、内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)と内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)とは、茎のあるポリープにワイヤーを引っ掛けて、焼き切る方法によって行います。内視鏡的粘膜切除術(EMR)は茎のないタイプのポリープや腫瘍に用いるもので、生理食塩水などを注入して周囲の粘膜を浮き上がらせたうえで、粘膜を焼きます。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は病変を電気メスで剥ぎ取る方法で、EMRに比べると高度な技術を必要とします。


大腸がんの名医

大腸がんの名医を見つけることによって、症状の改善を図りましょう。治療において重要な役割を担うのが専門医ですが、実力はまちまちですので、いかにして名医を見つけておくかということは大切です。命に関わる病気である以上、治療方針の選択や手術・内視鏡治療の成否によって生死に影響を与えることもあります。どのような治療を受けられるかの鍵を握っている重要人物として、大腸がんの名医がいるのです。

探し方としては、大腸がんの名医ランキングのような特集を組んでいる雑誌を探すことや、テレビの名医特集を見ること、インターネットを活用すること、知人から話を聞くことなどが挙げられます。

雑誌を参考にするのなら、まずは大腸がんの名医や治療成績のよい病院の特集を見つけ、その妥当性について検討することが必要になります。内容を鵜呑みにするのではなく、参考にできるものかどうか、必ず精査するようにしましょう。どのような方針で調査・格付けを行ったのかが明示されていないようでは論外です。恣意的に操作できる上、十分な取材も行わずに記事を書いている可能性もあります。記事を書いたライターの略歴にも注目しておきましょう。まったく畑違いの記者が書いている原稿では、それだけ信頼度が低下します。本として出版されていると、いかにも本当のことが書いてあるかのように錯覚してしまいがちですが、いい加減な記事に躍らされることのないように気をつけて下さい。また、見つからないからといって、当てもなく出版を待っている間に末期症状に向けて進行してしまう可能性がありますので、あらかじめ期限を区切っておくことをお勧めします。

テレビで大腸がんの名医の特集をしている場合、全国ネットの番組であれば、それなりの調査や根拠を持って選んでいる可能性は高まります。雑誌は小さな出版社が発行していることもありますが、全国ネットのテレビ局であれば、無責任なことを放送すると局にとって不利益になるからです。大腸がんの名医として紹介するのであれば、そう言えるだけの理由を持っていなくては、放送する側にとって大きな犠牲を払うことになりかねず、そのために慎重な対応をしている見込みが高まります。ただし、テレビで紹介された名医は多くの方が目にするという性質上、治療の依頼が殺到してしまうことが予想されますし、一つの病気に対して数多くの優秀な専門医が紹介されている番組は見たことがないため、1人や2人といったごく少数の有名な専門医が紹介されるだけと考えておいた方がよいでしょう。

インターネットを使って大腸がんの名医についての情報を調べるのであれば、様々な種類の情報源があります。たとえば、闘病記もあれば、名医について言及しているサイトを探すこともできます。インターネットを利用する際に共通して言えることは、そのサイトの信頼度が高いか低いかを見極めることが必須になるということです。ブログやホームページは個人でも自由に開設できます。参入のハードルが低いということは、いい加減な情報を容易に流すことができるということです。たとえば、病院関係者が、自分の病院の評判を上げるために大腸がんの名医がいるかのような記述を掲示板などに書き込むことも考えられます。反対に、ライバルの病院の評判を下げるために、悪意のある書き込みがされることもあるでしょう。どのような根拠に基づいて発言しているのかを見極めないと、中身のない情報にだまされることになりかねません。膨大な量の情報がある反面、本当に価値のある情報かどうかの判定が難しいという問題点が、インターネットにはつきまといます。

知人から直接話を聞く場合、それがその人の個人的な治療の体験談なのか、それとも医療関係者の人による話なのかなど、どのようなタイプのものかによっても状況が変わります。医療関係者から聞いた話で、大腸がんの名医と名高い専門医についての噂を聞いたのなら、信憑性もあるでしょう。やはり同じ業界で働いている人の間で情報は伝わっていくものですし、シビアな評価もされているものです。ある患者さんが個人的に症状が改善されたという話では、あくまでも一つの症例として受け止めることが必要ですので、本当に名医と呼べるほどの腕があるかどうかの判定には、参考資料程度にしか貢献しないと考えておいた方が適切です。ただ単純に、初期症状で容易に内視鏡的治療や手術を行うことができ、優秀な専門医ではなくても完治させることが簡単だっただけかもしれません。


大腸がんの名医がいる病院

結局のところ、大腸がんの名医を探すのなら確かな情報源を確保することが重要です。私が様々な情報を見てきた中で、もっとも信頼に値すると考えているのは複数の書籍で紹介されている病院です。

ただし、名医にも限界はあるので、過剰な幻想は抱かない方がいいでしょう。


大腸がんの原因

大腸がんの原因の中でも多く指摘されるのは食生活です。食事の欧米化により加工肉の摂取が増えたことが、大腸がんの原因の一端であると考えられています。また、野菜の摂取が減ったことによって食物繊維が減少したことも悪影響を与えるとされています。肥満も大腸がんの原因とされていますが、食生活や運動不足などの生活習慣が肥満の原因になっているということを考えれば、ここでも食事の変化が影を落としていることが分かるでしょう。

また、遺伝的要因も発症リスクを増やす原因となります。家族歴を見たときに発症した人がいるのなら、注意した方がよいでしょう。遺伝的な要因の場合には、知っているからといって回避できるものではありませんが、大きなリスクを抱えていることを理解しておけば、定期的に検診を受けることや、異常がある場合に敏感になることによって、初期症状の段階で見つけやすくする工夫をすることができますし、食事に気をつけるなど、意識的にコントロールすることができる大腸がんの原因を遠ざけることができます。

タバコや過剰なアルコールの摂取は大腸がんの原因になります。タバコの煙には発ガン物質が大量に含まれていることは周知の通りです。わざわざ発ガン物質を体内に吸い込んでいるのですから、発症の原因になるのは当然のことでしょう。これは肺などの呼吸器のみの問題ではありません。また、アルコールの場合には、エタノールが分解されてできるアセトアルデヒドが癌の原因になるうえ、アセトアルデヒドが分解される際に活性酸素を発生させるという問題も含んでいます。

ここまで見てきたように、大腸がんの原因は食事や喫煙、過度のアルコール摂取など、常識的なものが多いことが分かるでしょう。難しい事情によって発生しているというよりも、他の病気の原因にもなるような問題によって引き起こされることを考えると、一般的に健康的な暮らしとされている生活をすることによって、ある程度は発症の危険を減少させることができます。それに加え、40歳以上になったら定期的に検診を受けることで初期症状の段階で発見できるようにしておくことも大切なことです。たとえ症状があっても、早い段階で見つけることができれば、手術や内視鏡的治療によって完治させられることが多くあるためです。

また、男性は女性の2倍の罹患率があるため、性別で見ると男性の方が発症することが多いことを知っておいてください。年齢的には50歳頃から増加を始め、高齢になるにつれて罹患率が上昇します。


大腸がんの予防

大腸がんの予防の中心となるのは食事です。何を食べるかによって、発症リスクが変わってきますので、予防において食事の内容を無視することはできません。大腸がんを予防するための食事に関して詳しくは「食事 」の項目をご覧下さい。最近の研究では、みかんに含まれるベータクリプトキサンチンに予防効果があると提言されています。ベータクリプトキサンチンはカロテノイドの1つで、みかんの他には、柿や桃、びわなどにも含まれています。

それ以外の部分では、アスピリンが動脈硬化や塞栓症の予防に有効であり、大腸がんの予防にも貢献すると言われています。ただし、健康な方がアスピリンを服用することには否定的な意見もあり、大腸がん予防のためだけに使われることは少ないのが現状です。また、適度な運動についても、予防の効果があるとされています。内臓脂肪を減らすことによって、アディポネクチンの量を増やすことができ、アディポネクチンが動脈硬化や癌を予防する効果があるということなのです。運動の中でも有酸素運動が有効とされていますので、無理のない範囲で継続するとよいでしょう。


大腸がんと食事

大腸がんと食事の間には密接な関係があります。西洋型の食生活が発症リスクを高めることについては、もはや周知の事実と言ってもよいでしょう。大腸がんになりやすい食事から抜け出すためには、日本職を見直すことが1つの方法です。牛肉や豚肉は控えめにして、魚や鶏肉を中心にするとよいでしょう。また、炭水化物はしっかり摂取し、野菜も豊富に食べましょう。これは緑黄色野菜に限らず、様々なものを食べることが大切です。大量に食物繊維を摂れる食事が大腸がんを予防できるというわけでもなく、むしろ抗酸化物質などを適度に摂ることが重要であると考えられています。研究によっては、食物繊維の過剰摂取が癌の発症リスクを高めるとも提唱されているほどですので、適量を心がけることが重要です。野菜や果物に含まれる物質では、カロテノイドやアスコルビン酸、セレン、葉酸、イソフラボンなどが予防効果を期待されています。また、油は控えめにするほか、動物性のものよりも植物性のものにするとよいでしょう。

また、術後は大腸の働きが落ちているので、消化吸収のしやすい食事メニューをお勧めします。たとえば、魚でも生の状態や表面を軽くあぶったものよりも、煮ることによって消化しやすくなります。術後の食事については、主治医からの指導を受けて注意点を守るようにしましょう。


大腸がんの生存率

大腸がんの生存率の目安として用いられるものに、5年生存率があります。病気(ステージ)ごとに5年生存率を見ていくと、以下のようになっています。

デュークスA(ガンが大腸壁内):95%
デュークスB(大腸壁から出ているが、リンパ節転移はない):80%
デュークスC(リンパ節転移がある):70%
デュークスD(リンパ節以外への転移がある):10%

この数字を見ても分かる通り、大腸がんの生存率は、末期に近づくほどに悪化していきます。初期症状のうちに発見して治療しておくことが大切であるということは、この数値から明らかでしょう。内視鏡的治療や手術は、完治を目指す上で有力な治療法となりますが、病巣が広がってしまえば使うのが難しい方法でもあります。したがって、末期になると、腫瘍を直接切り取ることが難しくなり、ますます状況が悪化してしまうのです。遠隔転移が認められるデュークスDになると、5年後には10人に1人しか生きていないということが、その危険性を物語っています。

大腸がんの生存率を高めるためには、早期発見と適切な治療を受けることが必要になります。定期的に検診を受けることで初期症状を見逃さないようにすることや、発見後に早く治療を始めること、そして名医がいる病院を見つけることが重要になります。病院によっても生存率には差がありますので、どこの病院を選ぶかは、重要な意味を持つのです。

直腸がんと結腸がんの5年生存率も、いかに示しておきます。

直腸がん
ステージT:97% ステージU:86% ステージV:72% ステージW:16%

結腸がん
ステージT:98% ステージU:94% ステージV:77% ステージW:20%


大腸がんの兆候

自覚できる大腸がんの兆候としては、血便や便が細くなっていること、便秘、貧血などがあります。このような兆候に心当たりがある方は、病院で検査を受けておいた方がよいでしょう。もっとも、単独で貧血が起きているだけでは、他の原因による可能性が十分にありますので、一概には言えないところもあります。普段から定期的に検診を受けていないような場合には、これをきっかけに検査をしてみるのもよいでしょう。検査においては、がん胎児性抗原(CEA)検査を行った時にCEAが正常値より高い場合には、大腸がんを含めた何らかの疾患の兆候である可能性があります。

家族が癌家系の場合や、年齢が40歳以上といったほかのリスク要因を抱えている場合には、いっそうの注意をしておくことをお勧めします。大腸がんの兆候があったとしても、それに迅速に気付けるとは限りません。また、兆候が出るまでの間にも症状は進行しています。上記に示したような兆候を過信せずに、日頃から検診を受けるようにしておくことが早期発見につながります。


大腸がんの肝臓転移

大腸がんの転移は肝臓に最も多く見られます。肝臓への転移がある場合には、原発巣だけではなく、肝臓の治療も行う必要があります。もっとも効果的な肝臓転移の治療法とされているのは手術です。病巣を切除しておくことが、最も効果的な方法となるのです。肝臓への転移が1個しかない場合には、5年生存率が50%を超えると去れています。したがって、たとえ大腸がんが肝臓へ転移していたとしても、悲観する必要はありません。数が増えても、手術ができる場合もありますので、専門医とよく相談しましょう。また、術後に再発した場合に、肝臓に再手術を行う場合もあります。

手術を行えない肝臓への転移には、ラジオ波治療を行うこともあります。元々は肝臓がんの治療に使われていたラジオ波治療を、肝臓への転移にも応用しようというわけです。他にも、抗がん剤による化学療法を行う場合があります。抗がん剤によって事前に病巣を小さくしておき、手術できる大きさに縮小したところで切除することで、切除不可能と考えられた症例であっても、手術を行える場合が出てきます。抗がん剤の効果を高めるために、5―FUとロイコボリン、オキサリプラチンを組み合わせるFOLFOX4と呼ばれる投与法もあります。こうした方法を駆使することで、大腸がんが肝臓へ転移した場合でも、治療を行っていくことができます。

また、大腸がんの肝臓への転移の起きる見込みを解析するDNAチップの開発が行われていますので、今後は、遺伝子の観点から、肝臓転移の可能性が事前に予測できるようになっていくかもしれません。


大腸がんの再発

手術を行っても癌細胞が取りきれていない場合、その癌細胞が原因で大腸がんが再発することがあります。再発を予防するために、周囲のリンパ節を一緒に切除すること(リンパ節郭清)や、抗がん剤・放射線治療を併用することが行われていますが、それでもすべての癌細胞を死滅させることができない場合があり、それが大きくなってくると再発として認識されることになります。

では、大腸がんの再発が起こりやすい部位がどこかと言いますと、最も多いのは肝臓です。別の臓器が出てくるのは意外かもしれませんが、大腸から血液が肝臓に流れていくため、肝臓で再発が起こることが多くなります。続いては肺が再発の起こりやすい場所として挙げられます。他にも、原発巣の近くや腸管のつなぎ目があります。結腸がんと直腸がんに分けてみると、結腸がんでは肝臓や肺の再発が多く、直腸がんは原発巣の近くに再発することが多いという傾向があります。また、再発した場合には術後3年以内に80%が発見され、さらに5年以内に95%以上は発見されています。したがって、この期間は慎重に経過を観察するようにしましょう。

大腸がんが再発する可能性を計るための1つの指針として、ステージ(病期)が挙げられます。ステージが進行するほどに予後に再発する可能性が高まります。初期症状が末期に比べて治療しやすいわけですが、予後の経過という部分で見ても、末期近づくほど再発の可能性が高まって生命が危険にさらされやすくなるということなのです。ステージ0の場合であれな、内視鏡治療や手術で病巣をしっかり切除できれば、再発はありません。これは癌細胞が大腸の粘膜の内部にとどまっているため、取り残しが起きづらいという理由によります。ステージTにおいては、大腸の粘膜下層に癌細胞がとどまっていれば再発は1.5%程度、大腸の壁の筋肉の層に達していればおよそ6.5%です。ステージUで約13%、ステージVで30%ほどが再発します。このように、末期に近づくほどに確実に再発率は高まりますので、初期症状のうちに治療しておくことが重要な意味を持つことになります。

再発したとしても、手術ができる場合もありますので、その時には病巣を切除することになります。手術が重要な役割を担うのは、大腸がんが再発した場合であっても変わりません。しかし、手術はできない場合もありますので、その場合には抗がん剤や放射線治療を用いることになります。再発の部位や症状の進行の程度、全身状態によっても治療の方針は変わってきます。専門医としっかり相談して、改めて今後の方針について話し合いましょう。


大腸がんの手術体験談

大腸がんの手術体験談が、入院中や術前の励みになったという話を聞くことがあります。抗がん剤や放射線治療、内視鏡的治療と比べても、手術は心理的に大きな負担になりますので、体験談で他の方が事前の説明から、術後の経過まで、どのような経過をたどったのかは、大いに役に立つ情報であるということでしょう。手術体験談を読むことによって、専門医の説明とは異なる角度から手術を捉えることができますし、経験者の話は気になるところです。術式や症状の程度は異なるにしても、参考になるところはあるでしょう。ネット上でも大腸がんの手術体験談を読むことができます。気になる方は探してみてください。

手術の体験談は、当日のことだけではなく、前後の時間についても言及されることが一般的です。例えば、術前に専門医から説明を受けることになりますが、同意に当たっての迷いや葛藤について書かれている体験談を読んでおくと、いざ同じ状況に置かれた時、いくらか冷静になれるのではないでしょうか。また、術後の経過についても、入院中の話や、退院後の生活の変化についても触れられている体験談もあります。大腸がんの手術は大きな出来事だけに、十分な備えをしてから臨みたいところです。それは体調管理だけではなく、気持ちの整理という部分も含めたものであり、手術によって治るという確信を持って当日を迎えるためにも、他の患者さんの体験談を上手に活用しましょう。


大腸がん闘病記

大腸がんの闘病記はネット上や書籍で見つけることができますが、上手に活用すれば大きな助けになります。たとえば、闘病記に名医の情報が書いてあることもありますし、病院の評判や看護士の対応について情報を得られることもあります。これらは、専門医に尋ねることもできない内容ですので、とても参考になるものです。患者さんが得る情報の大半は専門医からもたらされるか、自分で調べたかといったところに限定されますが、病院は不利益なことをあえて通達することはしないでしょうから、病院の評判や名医がいるかどうかについては、自ら調査するしかありません。大腸がん闘病記は、そのための資料となるのです。

他の患者さんと直接会って情報を交換する機会はほとんどありませんが、闘病記を読むことによって情報を得ることはできます。これは病院からの公式な見解ではないため、内容が不確実であるという弱点と、普段とは違う情報源であるという長所があります。同じ病気を患っている人同士なら、同じ目線を共有することができますので、ざっくばらんに腹の内をさらけ出した発言をすることができます。見方によっては無責任とも取れますが、上手に情報を取捨選択すれば、役に立つ部分は多々あるはずです。

治療にあたって、焦りや戸惑いとどのように向き合ってきたかという体験談は、大いに参考にできるところがあるのではないでしょうか。大腸がん闘病記には、気持ちの揺れ動きが描かれていることもありますので、実際に告知を受けた者にしか分からない苦悩も綴られています。こうした問題は、客観的な立場にいる専門医から諭されたからと言って、簡単に解消できるものではありません。立場を同じくする方が書いた闘病記の方が、よほど多くを解決してくれることもあるはずです。切実な悩みを抱えている人同士だからこそ分かり合える事情もあるのです。

名医を探すばかりではなく、闘病記は孤独を感じてしまう時や、今後の治療や手術に不安を感じた時にも読んでみると、一人ではないことを思い出させてくれます。同じように病気と戦っている仲間がいて、それぞれに様々な感情を抱えながらも、必死に生きているのです。闘病記は医学書のように専門知識を得る目的ではあまり役立ちませんが、生きる気力を取り戻すためにはとても有意義なものです。簡単にネット上で見ることができますので、気軽に参照してみるとよいでしょう。検査のことから手術のことまで、実に幅広い内容について言及しているものがあることが分かるはずです。

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