末期がんの現実

肺がんの末期症状と余命

胃がんの末期症状と余命

大腸がんの末期症状と余命

すい臓がんの末期症状と余命

肝臓がんの末期症状と余命

子宮がんの末期症状と余命

乳がんの末期症状と余命

前立腺がんの末期症状と余命

食道がんの末期症状と余命

すい臓がんが末期症状になり、余命宣告も

すでに末期症状と呼べるステージ4期のすい臓がんをわずらい、担当医から余命宣告もされている斎藤さん(仮名)からうかがった話です。

斎藤さんの父親は胃がんで亡くなっており、母親は肺がん、祖父も胃がんとがん家系でいることは意識していたため、健康診断を毎年受けるのは当然のこととして、がん検診を受けたこともあったそうです。

しかし、その結果としてすい臓がんを早期発見できたかというと、そうはいきませんでした。すでに発見された時にはステージ3期と4期の判断が難しい段階で、事実上、末期症状と言えるレベルでした。

他の臓器に囲まれた位置にあるため、すい臓がんは末期になるまで発見されないことが多く、斎藤さんのように健康診断等を受けていたとしても見落とされることが多いのが特徴です。残念ながら、その傾向に逆らうことはできませんでした。

抗がん剤治療は行われるものの、これはすい臓がんを体内から消すためではなく、単に悪化を遅らせることが目的と、医師は告げました。そして、余命についても宣告されることになります。目安は半年ということでした。

余命半年という現実

斎藤さんはまだ54歳です。これから先の人生設計も考えていたと言いますし、60歳で迎える定年退職後のことも色々思いを巡らせていたという話です。

しかし、すい臓がんによって残された余命は半年。どうやら定年退職も還暦も無事に迎えることはできないという結論に達しました。

「見つかった病気がはじめから末期というのは、いきなり交通事故にあったのと同じ気分で。避けようがないというか、落ち度がないのにトラックが突っ込んできたような」

そう語った斎藤さんの気持ちは理解できる気がします。少なくても、これまでに毎年健康診断は受けてきたわけなので、病気になっているなら初期に発見して、確実に治療をすればよかったはず。にも関わらず、実際は末期になるまですい臓がんが見つかることはなく、いきなり余命半年の状態になってしまったのですから。

ただ、いつまでも嘆いてばかりいられないので、とりあえず残りの余命の最初半分、つまり3ヶ月で死後に家族が困らないように、もろもろの手続きをしようと決めたということです。

遺書も書いたと言います。最初は普通の手紙として書いたものの、遺書には法的な形式が必要だと知り、書きなおしたそうです。「大した遺産はないけど、つまらないことで揉めてほしくないから」と斎藤さんは語りました。

お葬式の手配も、葬儀場等を指定して、戒名は要らないことを書き残しておいたそうです。

それでも生きたい

すい臓がんと分かってから会社を退職したこともあり、時間はあったので諸手続きの手配は最初の3ヶ月を待たずして終わったものの、やはり生に執着する思いは消えないと言います。

こうしてすい臓がんが末期症状と発覚してからも、背部痛(背中の痛み)等の症状を除けば、死が迫っている実感は薄く、それでいて恐怖はたしかに感じている。そんな状況を語ってくれました。

少しでも、1日でも長く生きたい。その反面、人間としての尊厳を失ってまで生き延びたくはない。 それが斎藤さんの言葉でした。


【総力特集】
末期がんから生還した人の共通点とは?

<すい臓がんについて>

主要がんの中でも死亡率が高く、癌の王様と呼ばれることもある。完治が望めるのは手術だけだが、実際に根治手術が成功することはまれで、そもそも手術が適応されないことの方が多い。

ジェムザールやTS-1といった抗がん剤の効き目は以前より上がっているが、それでも限定的。放射線治療にしても根治を望めるものではない。

ステージ3期や4期といった、末期症状やそれに近い状態で発見されることが多い。

Copyright (C)2013 末期がんと余命の現実 All Rights Reserved.

inserted by FC2 system